相続登記とは?経費にできる登記費用の種類や注意点を解説
- この記事のハイライト
- ●相続登記とは、不動産を相続した際に、不動産の名義を故人から相続人へ変更する手続きのこと
- ●経費にできる相続登記費用の種類は、登録免許税・書類の取得費・司法書士の報酬費の3つ
- ●注意点は、債務控除にならない点と相続不動産の一部を売却したときの計算、相続登記の費用負担について
不動産を相続したときは、名義変更の相続登記が必要です。
相続登記には登録免許税などの登記費用がかかりますが、不動産所得や譲渡所得の経費にできる費用もあります。
この記事では、そもそも相続登記とはなにか、経費にできる登記費用の種類や経費にするときの注意点を解説します。
埼玉県川越市で不動産を相続予定の方は、ぜひ参考にご覧ください。
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相続登記とは?必要性や義務化について
相続登記とは、不動産を相続した際に、不動産の名義を亡くなった被相続人から相続人へ変更する手続きのことです。
不動産の名義は、法務局が管理する不動産登記簿に記載されており、名義変更をおこなうには法務局に所有権移転の登記申請をする必要があります。
なお、不動産登記簿は、法務局の窓口やオンライン申請で取得や閲覧が可能です。
登記簿謄本を印刷したものを登記事項証明書と呼びます。
相続登記の必要性
2023年7月現在、相続登記は法律上の義務ではありませんが、重要な意味を持っています。
相続登記をしないと、亡くなった方の不動産が故人の名義で登記されたままになり、現在の所有者を特定することが困難になるからです。
たとえば、政府機関が道路や公園の建設などの公共事業のために土地を購入しようとしたときに、不動産登記の名義が故人のままだと、現在の所有者を調べて探すのが大変です。
所有者が特定できなければ、プロジェクトが滞る可能性もあります。
極端な例では、相続登記が何世代にもわたってされずに放置された場合、その土地は「所有者不明」となり、本来の所有者を誰も知らない状況になりかねません。
相続登記の義務化
現行法では相続登記は義務ではないことから、所有者不明の不動産が多くなり、空き家の放置などの社会問題を引き起こしています。
そのため、民法が改正され、2024年4月1日から不動産を相続した方は、取得したことを知ってから3年以内に相続登記をする義務があります。
正当な理由なくこの期間内に相続登記をしなかった場合、罰則として10万円以下の過料が科される恐れもあるため、ご注意ください。
また、2024年以前に相続した不動産についても、まだ相続登記をしていない場合は、遡って適用されます。
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経費にできる相続登記費用の種類とは?
相続登記にかかる費用は、不動産所得や譲渡所得を計算する際に必要経費とすることができます。
経費に算入することによって、不動産所得や譲渡所得にかかる税金を抑えることが可能です。
この章では、経費にできる相続登記費用の種類や不動産所得と譲渡所得の経費に算入する際のそれぞれの計算式について解説します。
経費にできる相続登記費用の種類
経費にできる相続登記費用は、以下の3種類です。
- 登録免許税
- 必要書類の取得費
- 司法書士報酬費
法務局に登記申請をおこなう際は、登記申請の内容に応じて一定の割合で登録免許税がかかります。
相続登記については「登録免許税=固定資産税評価額×0.4%」です。
また、固定資産評価証明書や相続人の戸籍謄本など、必要書類を取得する際にかかる費用も経費にできます。
相続登記の申請は、自分でおこなうこともできますが手続きが煩雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。
司法書士に支払う報酬費は、申請内容や依頼する司法書士によっても異なりますが、数万円はするでしょう。
これら相続登記にかかる費用は合計して10万円以上することもあるため、経費として計上すればかなりの節税効果が期待できます。
ただし、相続手続きに関連するすべての費用が経費として計上できるわけではないため、ご注意ください。
たとえば、葬儀費用や相続財産をめぐっての係争費用は経費にできません。
不動産所得の経費にする場合
相続した不動産がアパートなどの収益物件の場合、不動産所得を計算する際に相続登記費用を経費として計上できます。
不動産所得の計算式は、以下のとおりです。
不動産所得=総収入金額-経費
たとえば、アパート経営を相続した年であれば、その年の家賃収入や共益費から登記費用や固定資産税、修繕費などの経費を差し引いた金額を不動産所得として確定申告します。
また、相続した不動産事業を法人化する場合は、法人登記の際にかかった登記費用も経費として差し引くことが可能です。
譲渡所得の経費にする場合
相続した不動産を売却した際に発生した売却利益は、譲渡所得となります。
この譲渡所得を計算する際に、相続登記費用を経費として算入することができます。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
取得費には、不動産購入代金や不動産取得税、登記費用などが含まれます。
譲渡費用は、不動産の売却の際に発生した仲介手数料や解体費用などが挙げられます。
相続登記費用は、不動産を取得したときの経費として、取得費に含めることが可能です。
相続登記にかかった費用を取得費に計上することによって譲渡所得が抑えられ、譲渡所得税の節税につながります。
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相続登記を必要経費にする際の注意点
相続登記費用を必要経費にする際の注意点は、以下の3点です。
注意点①債務控除にならない
相続登記にかかった費用は、前章で述べたとおり不動産所得や譲渡所得の確定申告の際に経費として計上することができますが、相続税の申告については注意が必要です。
相続登記費用は亡くなった方の債務に該当しないため、相続税を計算する際に債務として控除することはできません。
相続税の債務控除の対象となるのは、被相続人が残した借入金や税金などです。
ちなみに、葬式費用は債務ではありませんが、相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことができます。
注意点②複数の不動産を相続登記した場合
複数の不動産を相続登記し、その一部を売却した場合には、経費として計上する際に、土地や建物の評価を按分して計算する必要があります。
自分で計算するのはむずかしいかと思いますので、その場合は税理士に相談すると良いでしょう。
注意点③費用の負担者
相続人が複数いる場合、相続登記の費用は誰が負担するのかについても注意が必要です。
一般的には、不動産を相続した者が相続登記費用を負担します。
たとえば、相続人がAとBの2人で、Aが土地を相続した場合、Aが登記費用を負担することになります。
しかし、Aが土地(評価額1,000万円)を相続し、Bがそれ以外の財産(現預金など総額5,000万円)を相続した場合、Aが相続登記費用を負担するのは不公平に感じるかもしれません。
このような場合、Bが相続登記費用を負担し、相続した現預金と相殺することで合意することもあります。
相続人が1人であれば、判断は簡単です。
しかし、相続人が複数いる場合には、誰が費用を負担するのかを話し合って決めることが不可欠です。
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まとめ
相続登記とは、不動産の名義を故人から相続人に変更する手続きのことを指します。
経費にできる相続登記費用の種類は、登録免許税・書類の取得費・司法書士の報酬費です。
注意点は、相続税の債務控除にはならない点や複数の相続登記をして一部を売却した場合は土地と建物の評価を按分する点、相続登記の費用負担についてです。
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